ACTIVITY / 活動報告
前回は主にベトナムの歯科事情についてのレポートでしたが、今回はベトナムレポート3部作第2弾『ベトナムの常識に開いた口が塞がらない』です。
約3年間、日本という国から一切出る事がありませんでしたが、これは一般的にはそんなに変わった事ではないと思うのですが、正直自分の中ではこれはかなりマズい事だったんです。
と言うのも、自分にとって日本という国があまりにも居心地が良すぎるんです。
居心地が良すぎて今自分の置かれている現状が当たり前だと思うようになり、凝り固まった常識に視野が狭まり、やがて思考を停止しロボット化していく・・・という感覚に襲われそうになるんです(私だけの感覚だとは思いますが)。
そんな時に「良くも悪くも自分と全く違う環境」を目の当たりにすることにより、一気に自分の周りにある壁が崩れていくような感覚になるんです。
というわけで、ベトナム視察ではなかなかのカルチャーショックを感じた事が多かったので、いくつかレポートいたします。
空港に着くとまずは外貨両替を行います。
久々に外貨両替を行いましたが、今回は以前海外に行った時に余った紙幣が結構あったので、円からではなく米ドルとフィリピンペソから両替しました。
足りるかなあ・・と思ったのですが、まあカードも使えるし街中でも両替できるので2万円分だけ両替しました(結果、めっちゃ余りました)。
ベトナムの通貨単位は「ドン」です。 今のレートだと1円=170ドンくらいです。
ちなみにベトナム紙幣に描かれている人物は、ぜ〜〜〜〜〜〜んぶホーチミンさん(ベトナムの革命家・政治家)です。 紛らわしくないのかなあ・・。
屋台で何か買うと大体1万〜1万5000ドンくらいするのですが、これは日本円にすると50〜80円程度。 単位の違いに頭がバグってしまい、これは最後まで慣れませんでした。
こちらではまだまだ現金主義なところがあるみたいで、知り合いは内装工事費2000万円を現金で渡す必要があった際に両替商で円からドンに両替した時、35億ドンの持ちきれない量の札束を渡されたとのこと。
ちなみに1億円の札束でこれくらいなんで、35億ドンは一体どのくらいの量になったのでしょうか(笑)。
さあ両替が終わるとホテルまで移動です。 場所は大体空港から車で30〜40分くらい。
面白そうなので路線バスで行こうかと思いましたが、時間がかかりそうなのでタクシーに乗ることに。
ただこれはベトナムに限らずですが、 東南アジアのタクシーはマジでぼったくってきます。
特に日本人はカモにされやすいみたいで、私も何度餌食にされたことか・・・!!
不当に高い料金請求されたり、意味のない遠回りされたり、私は経験したことないのですが全く違う街に連れて行かれて置き去りにされそうになったり・・・と。。。
腹立って文句言いますが、絶対的に向こうのほうが上手なので(プロなので)、最後は結局泣き寝入りなんです。
大阪のタクシーの運転手もクソ・・・・・失礼しました、接客に難のある方が多い印象ですが、東南アジアのそれに比べたら全然マシです(というか比べたらさすがに失礼です 笑)。
今回はそれが嫌だったので、『GRAB』というアプリを導入して臨むことにしました。
https://www.travel.co.jp/guide/howto/296/
GRABは日本にはありませんが、東南アジアを中心にサービスを展開している配車アプリです。
最近は日本でもタクシーを使う時は配車アプリを使うことがほとんどになりました。 車内での現金の受け渡しが無いのと、行き先をアプリで伝えているのでモメる事が全く無いんです。
大阪のタクシーはホンマクソ・・・大変失礼致しました、接客に難のある方が多いので、例えば万札しかなかった場合めっちゃ怒る人が多いんです。
余談ですが、以前運転手さんに聞いたのですが、法律的にタクシー運転手には釣り銭を用意しておく義務はないらしく、それがタクシー運転手さんが怒る理由みたいです(いや・・・・知らんがな!!)。
でもそれがしんどいので配車アプリは本当に助かります(ポイントもつくし!)。
で、今回のGRABですが、めちゃくちゃ良かったです!! 東南アジアに行かれる方は絶対に使ったほうがいいです。
行き先さえ決めていたら先に金額が決定してアプリ内で決済されるので、現金の受け渡しもないし、遠回りされようが一切ダメージはない訳です。
何よりもボッタクられないという安心感がすごい(まあボッタクリも旅行の醍醐味かもしれませんが)。
ちなみにベトナムのタクシー代はめちゃくちゃ安かったです。 空港から10キロほど走ったのですが700円くらいでした(多分日本だと4000円くらいかかる)。
GRABではバイクタクシーも呼べるのですが、それはもっと安いです(でもこれはあまり好きではなかった)。
ベトナムは基本的に物価は日本に比べて安いのですが、車関係はかなり高いみたいで、ガソリンはリッター130円、バイク本体は20万円、車本体は300万円、レクサスは4000万円(!)と、日本と変わらないかむしろ高いくらいみたいです。
なのでベトナムでレクサス乗っている人は「超金持ち」ということになります。
さあ、そうこうしているうちにホテル近くの繁華街に着きました。
ここでビックリするのは「バイクの多さ」です。
一昔前と比べると車もだいぶ増えたみたいなんですが、それでもやたらバイクが多い。 どうやら国民の9割?がバイクを所持しているみたいなんです。
昔たまに「暴走族の集団暴走」を見ることがありましたが、それがず〜〜〜っと続く感じと言えばわかりやすいでしょうか(若い人には伝わらんかな 笑)?
ちなみに街中には基本的に信号がほとんどありません。 ではその状況で道路を渡りたい時はどうするのか??
答えは、「堂々と真っ直ぐ立ち止まらずに歩く」です。
そうしていれば、車もバイク止まるか減速してくれます。 運が悪ければ轢かれます(笑)。
絶対に躊躇してはいけません、後戻りとかしたらマジで轢かれる可能性がありますので!!
車間距離なんて「数センチ」がざらです。 なんならちょっとくらい当たってるような・・・。 また、常にクラクションが鳴らされている状況で、これは『自分の存在を相手に知らせるため』みたいで、自転車の灯火みたいなもんでしょうか?
日本でこの車間距離とクラクションだと、そこらじゅうでケンカになりそうです。
でも、ホーチミン市内では意外と事故率は非常に低いとのことです。 ホンマか(笑)?
大阪に帰ってすぐ車に乗りましたが、ベトナム感覚だったのでその車間距離にビックリしました。 大阪人は運転が荒いとよく言われますが、いやいやいやいや・・・・めちゃくちゃ上品な運転ですよ!!
ちなみにバイクは3ケツは当たり前、たまに4ケツもいました。 歩道を走っているバイクも結構いて、「この街に法律はないのか??」と思った瞬間でした(ちなみにさすがに歩道を走るのは違反みたいだが、4ケツはオッケーらしい。ホンマか??)。
堂々と歩道走るよね〜〜
着いた日の夜は特に約束がなかったので、1人で繁華街に出てグルメを満喫しました。
ベトナムの料理はめ〜〜〜〜〜っちゃくちゃ美味しかったし安かったです。 自分の口に非常に合いました。
ヘルシーな料理が多いので、多分日本人女性も好きな人が多いのではないでしょうか。 ヘルシーさを反映してか、ベトナム人はあまり太った人は多くありません。
どれも美味しかったですが、この店のバインミー(フランスパンを使ったベトナム式サンドイッチ)は絶品でした。 これの為に行く価値あるくらい美味かった。 ホンマに美味しかった・・・。
その後、ちょっと良さげなレストランでたらふく食べて、目一杯ベトナムビール飲んでも2000円くらいでした。
たらふく食べた後、ヴイ・ヴィエン通りという繁華街に行き、路面テラスで1人飲んでいたら、4歳くらいの女の子が近寄ってきて甘えてくるんです。
可愛いし酔っているので相手しそうになったんですが・・・・その奥にはお母さんが売るための花やおもちゃを持っていて、それを売りつけてくるわけです。
言葉は悪いですが「子どもの可愛らしさを武器に商売をしている」というわけです。
観光客、特に日本人はカモなので標的にされたのでしょう。 ただ一度買ってしまうとカモ認定され、次々とその手の人達が集まってくるんです。
ただ私もその辺りは慣れているので軽くあしらっていると、ちょっとしたら諦めたんですが、その時女の子に思いっきり舌打ちして睨まれました(笑)。
で、「このオッサンあかん話にならんわ、次行くぞ次!!」というようなジェスチャーでその子がお母さんに指示し、次は近くに座っていた欧米人のおばさんに近づいていっていました。
なんというタフネス・・・・。。。 飛び込み営業で心折れてる場合じゃないぞ、俺・・・。。。。 日本人が控えめに上品に生きている間に、ベトナムに色んなこと抜かれるぞマジで・・・・。。。。
『俺ももっとガツガツ生きていいんだ』と思えた瞬間でした。
あと、ベトナムの街を歩いていると、とにかくみんな道端に座って何か食べているんです。
最初「この人達何しとるねん・・・?」と思ったんですが、どうやらベトナムでは家で料理するという文化がなく、「食事は屋台で食べるもの」というのが常識みたいです。
家で作るよりも安く美味しいものた食べれるみたいで、おそらく「町中が家の台所かリビング」みたいな感覚なんでしょうか、とにかく老若男女昼夜問わず、ず〜〜〜〜っと道端に座っているんです。
最初は異様に見えましたが、そのうち慣れました。 ただ・・・それだと栄養偏るよなあ・・・。。。
あと、男性が平日の昼間に道端に座って何もせずボ〜〜〜〜〜〜〜〜っとしている姿をよく目にしました。 ひたすらボ〜〜〜〜〜〜〜〜っとしているんです。
「この人たちはどうやって生計立ててるんかな・・・」という疑問がずっとありましたが、よく聞くと、ベトナムの男性はあまり働かなくのんびりした人が多いみたいで、その分女性はよく働いて気が強い人が多いみたいです。
要するに、生計は女性が立てているみたいなんです。
・・・・・・いや、オッサン働けよ(笑)!!
それが原因なのかどうかはわかりませんが、ベトナムの離婚率はめちゃくちゃ高いみたいです。
街を歩いていると、やたら猫の飾りが目に付くので調べてみると、どうやら今年の干支が「猫年」らしいのです。
私は勝手に「干支は日本だけのもの」と思い込んでいたのですが、意外と干支がある国は多いみたいです(よく考えたら中国の文化なので当たり前)。
ただ国によって微妙に動物が違うみたいで、ベトナムでは 牛⇨水牛、卯⇨猫、未⇨山羊、亥⇨豚 に置き換わるということ。 なので日本が卯年の今年は猫年というわけですね。
しかし自分の干支が豚は嫌やなあ・・・(笑)。
で、何よりも一番ベトナムに来てカルチャーショックを受けたのは、「警察をはじめとする公務員の在り方」です。
ただ、ここからは話半分で読んでください。 また、自分が経験したことかどうかも、あえてハッキリさせずに書きます(笑)。
ベトナムは世界的には少数派である「社会主義国」です。 1986年のドイモイという政策によってだいぶ資本主義化されたらしいですが、国の方針としてはれっきとした社会主義です。
そうなると警察をはじめとする公務員の給料は、ほとんどタダ働きと言ってもいいくらい安いみたいで、それだと生活ができないらしいのです。
そこで・・・・国が賄賂を事実上黙認しているという事実があるらしいのです。
街をブラブラしていたら、警察官が近寄ってくるのです。
で、引き止められて何やら言っているんですが、何を言っているのかよく分からないのであしらっていると、おもむろに「マネーマネー」と言いながらこのジェスチャーをしてくるわけです。
要するに「見逃して欲しければ金出せ」ということなんです。 面倒臭いので日本円で5000円くらいのお金を渡すと、「行け!」というジェスチャーとともに解放されるんです。
人によっては「金無い」と伝えたら、「財布全部見せろ」と言われて、「あるやんけ!」ということで金を持っていかれた人もいるとかいないとか。。。
これ、中学の時に地元の怖い先輩にやられたやつですよね・・・・??? それを警察がやるんですか・・・??
この年になってカツアゲされるんですか・・・・(笑)????
そもそも、こっちはなんの違反をしているのか分かってないんだ・・・(笑)。。。
『スマホを盗んだスリから警察官がスマホを取り返して、善良な一般市民に返却した。これぞ市民のヒーロー!』というニュースがネットで流れることがあるみたいです。
・・・・いや、それニュースにするようなことか・・・(笑)?? 警察として通常業務では・・・??
警察だけではなく、税関職員もイチャモンつけてきて、例のマネージェスチャーで賄賂を要求してくることがあるみたいです。
国を出るまで油断はできません。
さて市内には色々市場があって、ブランドものが安く売っているのですが、これらはもちろんコピー商品です。
まあこんなことはアジアでは普通なんで書くまでもないんですが、今回ビックリするような話を聞きました。
ホーチミンにはルイヴィトンの正規店があるのですが、もちろんそこで売っている商品は、さすがに正真正銘本物のルイヴィトンです。
そしてある人がその店でバッグを購入したんです。 で、日本に持って帰って使っていくうちに飽きてしまい、質屋に売りに行ったんです。
価格査定が終わり、店員さんの口から出た言葉が・・・・
「お客さん、ウチではコピー商品は買取できません」
もちろん、由緒正しきルイヴィトンが正規店でニセモノを売るわけがありません。 そんなことをしていたら、ブランド価値が失墜してしまいます。
ではなぜ正規店でニセモノが売られていたのでしょうか・・・・???
推測するに、おそらく答えは「ヴィトン正規店で働く店員が、自分が市場で購入したニセモノと店の本物をすり替えて、それを運の悪いことに日本人観光客が購入してしまった」ということでしょう。
嘘みたいな話ですが、これは実際にあったことです。
信じるか信じないかは・・・あなた次第ですが・・・(笑)。
まあこれ以外にも色々と感じることがたくさんあって、もっと面白い話を山のように聞いたのですが、ここでお伝えできるのはこのくらいです。
非常に失礼な表現かもしれませんが、子供の頃に愛読していたコロコロコミックの荒〜〜いギャグ漫画をずっと読んでいるような感覚でした(笑)。
ただ、ベトナムという国はすごく気に入りました。 なんか「空気感」が自分に合っているような気がしました。
近い将来また行くと思います(ホンマか 笑?)。
というわけで、以上『ベトナムの常識に開いた口が塞がらない』編でした。
次回は『ベトナム戦争の歴史を目の当たりにして言葉を失う』編です。
乞うご期待!!