ACTIVITY / 活動報告
※前回からの続き
というわけでお待たせいたしました(誰も待ってない? 笑)! 今回は我らがアジアの英雄マニー・パッキャオがどれだけ凄いかというのをお伝えしたいと思います。
もう彼の実績に関しては、完全に「漫画の世界を超えたファンタジー」と言っていいと思います。 正直彼以上の実績を残すボクサーは、私が生きているうちにはもう出てこないと思います。
パッキャオはフィリピンの片田舎の農村地帯の貧困家庭に6人兄弟の4番目として生まれました。 幼少期は家計を助けるために物売りをして働き、さらには両親の離婚などもあり極貧生活の一日一食もままならない状況から、彼は「生きるため」にプロボクサーを目指します。
15歳でボクサーになるためにフィリピン一の都会であり首都のマニラに向かいますが、家にお金がない事が分かっていたので、マニラ行きの船にこっそりと無賃乗船します。 マニラでは練習する以外は野宿する毎日でした。
ボクシングを始めた頃のパッキャオ
ボクシングを始めると彼の才能は大きく開花してメキメキと頭角を表し、一気にフライ級の世界チャンピオンに上り詰めることとなります。
・・・とまあここまでは普通っちゃ普通なんですが、パッキャオはここからの経歴がえげつないんです。
ボクシングは階級制のスポーツであり、47,62kg以下のミニマム級から90,72kg以上のヘビー級まで17階級に細かく分かれております。
ボクシングの世界ではたった1階級違うだけでも全く違う世界になると言われており、たった1階級のチャンピオンになるのでも凄い世界で、なんと彼は最終的に6階級も制覇する事となります。
しかも1階級ずつ順番に上げていったわけではなく飛び級で上げていったので、実質8回級制覇とも10階級制覇とも言われています(事実10階級分階級を上げた)。
あの井上尚弥でさえ現在4階級制覇なので(それもめちゃくちゃ凄いけど)、6階級がどれだけ凄いかわかるかと思います。
ちなみに井上尚弥は「フェザー級はいけるだろうが、スーパーフェザー級は難しいだろう」と言われています。
井上尚弥はライトフライ級から始まったのでスーパーフェザー級は10キロ重い階級となるのですが、あの100年に一度の逸材モンスター井上尚弥でも10キロ重い世界は難しいと言われているわけです。
ではパッキャオは最終的にスタートから何キロ重い世界で王者になったかと言うと・・・なんと20キロ。。。
これ・・・ホンマに考えただけでも恐ろしい事なんです。
私も10年以上筋トレが趣味ですが、10キロ筋肉を増やすことがどれだけ大変なことだったか・・。
しかしパッキャオはスタミナとスピードを落とす事なく(なんならスピードは早くなったような気も)、筋肉だけで20キロも増量したんです。 これ、考えれば考えるほどにあり得ない話なんですよ。
フライ級時代のパッキャオ
スーパーウェルター級時代のパッキャオ
さらにこの表を見ると、井上尚弥と比べてもその「上げ幅」がどれだけ異常かわかるかと思います。
パッキャオが制覇した階級と今後井上尚弥が制覇する可能性のある階級
さらにさらにパッキャオが凄いのは、上げた階級で常に「史上最強」と呼ばれるチャンピオンと闘い「どの階級でも無双した」というところです。
階級が上がるたびに「今回はさすがにパッキャオも無理だろう・・」と毎回言われる中、待ち受けていた最強のチャンピオンに圧倒的な強さで打ち勝ってきたんです。
あの孫悟空でも、ピッコロ大魔王・サイヤ人・フリーザ・セル・魔人ブウなんかが出てきた時には最初苦戦しましたが、パッキャオは戦闘力がインフレする世界で苦戦すらせずに、それらのラスボスを常に圧倒してなぎ倒してきたようなイメージです。
もう週刊少年ジャンプの世界すら超えています。。
ちなみに名前の響きと、いつも敵を豪快に食い尽くしていくナムコ社(日本)のゲームのイメージとなぞらえて、パッキャオは「Pacman(パックマン)」の愛称で親しまれました。
そういえば初めて買ったファミコンソフトはナムコの「パックランド」やったなあ〜。 あれ面白かったなあ・・。
さてパッキャオの試合はどれも素晴らしいものばかりですが、個人的に特筆すべきは2008年12月6日の対オスカー・デ・ラ・ホーヤ(以下デラホーヤ)戦じゃないかと思います。
この試合はタイトルマッチ(チャンピオンベルトをかけた闘い)ではありませんでしたが、その実現に向けての経緯がすごいんです。
対戦相手のデラホーヤも6階級を制覇したバケモノです。 ただパッキャオとは主戦場にしている階級が違いすぎて、対戦を実現するのは不可能と誰もが思っていました。
その時パッキャオは60キロくらいの階級で闘っており、デラホーヤは10キロ重い70キロが主戦場でした。 ボクシングの世界で10キロの差はあまりに大きく、この体重差は決して交わることのない数字です(というか選手生命に関わるので危険すぎて絶対に交わってはいけない)。
ただ二人とも最強のボクサーであり、ファンの人たちは「もし彼らが同じ体重だったらどちらが強いかな・・」という妄想をして楽しんでいました。
しかしその妄想は実現することとなります。
なんとパッキャオが思いっきり増量し、逆にデラホーヤが減量して歩み寄ることで、ウェルター級(66,68kg)のリングで闘うことが決定したのです!!
いや、これを聞いた時は大袈裟でもなく「ウルトラマンと仮面ライダーが闘うレベルやん!!」と思いましたよ、マジで。 それくらい誰もが「馬鹿げた対決」だと思ったんです。
要するに「互いに違う世界の違う物語の主人公なので、交わることなんて絶対に無理」と思ったわけです。
当然今回も下馬評は圧倒的なパッキャオ不利。 「無謀」「ミスマッチ」「パックマンの大冒険」と非難・揶揄される事となります。
身長はデラホーヤが10センチ高いのですが、ボクシングの世界では体重が同じならば身長が高い方が圧倒的に有利だとされています。
身長が高い方が当然リーチ(腕の長さ)も長く、リーチが長いとパンチの当たる距離が長くなるからです(今回はデラホーヤの方が13センチ長かった)。
例えるなら、長い日本刀を振り回してくる相手に対して短いナイフで対抗するようなものです。 普通に考えたら平等な闘いではありませんよね?
かくして両雄拳を合わせたわけですが結果は・・・・・???
マニー・パッキャオの圧勝、「一方的な公開処刑」で幕を閉じたのです。
あり得ないスピードとハードパンチにて圧倒的な体格差を「無き事」にし、8回終了時にはデラボーヤのギブアップでパッキャオの完全勝利となりました。
実際の試合のダイジェスト
いや〜〜〜・・・当時これには本当にビビりましたね・・。。
その後パッキャオはさらに階級を上げ、ついにスーパーウェルター級でも王座につくこととなります。
ちなみにデラホーヤはこのファイトを最後に引退する事となります。
このように、いくら井上尚弥が凄くとも「階級の壁を破った」という勝負では敵わないでしょう。 なので個人的には「できるだけ多くの階級で4団体を統一した」というポイントでパッキャオの偉業に挑んで欲しいと願っております。
とまあ、もっと色々語りたいところですが、これだけでもパッキャオの凄さがちょっとは分かってもらえたかと思います。
ホンマにすごい人なんです・・・!!
やはりパッキャオの武器はその「圧倒的なスピード」ではないでしょうか。 これが全盛期のシャドーボクシングですが、嘘みたいな早送りみたいなスピードです。
ちなみにこれはマイクタイソンのシャドーです。
これヤバいな・・・。 この動画時のタイソンは16歳らしい。。 こんなん食らったら一発で○ねる自信ありますね(当たり前か 笑)。
ちなみにこれはケンカ自慢のど素人のシャドーです。 全く違うのがわかると思います(この人もタイソンと呼ばれてるらしいですが 笑)。
シャドーボクシングは一言で言うと「イメージトレーニング」であり、それを極めると目の前に自分と同じ大きさののカマキリを出現させる事が可能となるわけです。
さてパッキャオはリング外でも色々都市伝説があります。
フィリピンではまだまだ国内紛争が絶えないのですが、パッキャオの試合がある時だけは休戦協定が組まれるらしいです。
「我らがパッキャオが試合してる時にチンタラ戦争してる場合じゃない」ってなところでしょうか(笑)。
また彼は政治家でもあり、将来的にフィリピン大統領になるだろうと言われています。 近い将来「マニー・パッキャオ大統領」が誕生したら面白くなるなあ〜〜。
はあ・・しかし・・・それだけにこないだの試合は見たくなかった・・・・・!!!! ホンマ悲しかった・・・。。。。
本当に途中「これホンマにパッキャオか・・? 似てるだけの違う人では・・? そっくりさんであってくれ・・!!」という気持ちになりました。
しかし悔しいですが、今回メイウェザーがいかに凄いかを証明する結果となってしまいましたね。。 いや、素直にホンマ凄すぎる。 50がらみのおっさんが、本気出さずに全盛期の20代30代の若者達を嘲笑うように倒したんですから。。
個人的に思う事ですが・・・パッキャオには自分がボクシング界そして格闘技界においてどんな存在なのかを、もっと冷静にかつ客観的に判断して欲しかった。
あんなろくに練習もせずに、たるんで衰えた身体でボクシングをあまり知らない層の人達にあのパフォーマンスを見せたら、「ボクシングってたいして強くないんやな」と思われてしまいボクサー全員がバカにされてしまう。
やはりどんなレジェンドでも、肉体を使う競技であるかぎり「年齢」には勝てないのでしょう。
いや、スポーツに限らずビジネスの世界でもやっぱり年齢というのは大きいと思います。 自分でも、現時点でもやはり「若い人には勝てない」と思う瞬間はたくさんあります。 若い人達の勢いや煌めきを、怖く感じたり羨ましく思ったりすることがしょっちゅうあります。
ハッキリ言いますが、歯科技工も年齢を重ねると腕は落ちます。 これは私が色々聞いたり見たりしてきた中で紛れもない事実です。 仮に「補綴物の質」は保てたとしても、「作製できる量」は確実に落ちると思います。 これは歯科技工も目や手といった肉体を酷使する仕事である限り、致し方無い事実だと思います。
ただ「経験」というのは若者には無い大きな武器であり、歳を重ねればそれでもって闘っていけば良いのではないかと思うのです。
怖いのはそれをプライドが邪魔して認められない事であり、それを世間では「老害」と呼ぶような気がしてなりません・・・。 負けを認めるのは決して無様ではないと思うんです。
武天老師(亀仙人)はプライドが無いから天津飯に負けを認めた訳ではなく、「負けたところで自分の評価が下がることは無い(強さだけが自分の価値ではない)」という自信があったからこそ、あっさり負けを認めたんだと思います。
事実、亀仙人の弟子達は自分達の方が圧倒的に師匠より強くなってからも、師匠の事を見下す事なく最後までずっとリスペクトし続けます。
どんな世界でも自信の無い人ほど、必要以上に自分を大きく見せようとするような気がします。
あと個人的に思うことですが、やはりカッコ悪い姿を見せない為にはある程度の金銭的余裕が必要であり、改めて「カネ」の重要性につて考えさせられた次第であります。
さて・・・もし彼が大統領になったら、久々にフィリピンに行ってみたいなあと思う今日この頃です。
数年前、色んなことに疲れてしまって誰にも言わずにセブ島に一人旅行したことがあるのですが(笑)、久々にセブ島でゆっくりしたいなあ〜〜。
というか今回最後まで読んでくれた人どのくらいるんでしょうか。。
ま、このコラムはストレス発散のために書いてるのもあるので全然良いですが(笑)。